山あり谷ありなランボルギーニの歴史!未来は電動化にあり!?

スーパーカーの代名詞といえば、ランボルギーニを取り上げないわけにはいきません。
野生の猛獣が獲物を狙うかのような精悍なスタイルで知られており、ひと目見ただけで印象に残る世界屈指のブランドです。
トラクターメーカーであったフェルッチオ・ランボルギーニの自動車部門として1962年4月に設立、翌年10月下旬に発表した350GTVを世に送り出しました。
現在では、誰もが知るトップブランドとして名を馳せますが、現在の姿からは想像できないほど、経営危機を経験しています。

最初の谷となったのが、1971年8月に起きたボリビアのクーデターでした。
同政府と契約していたトラクター納入が破棄されたことから資金難に陥り、親会社が全株式をイタリアの大衆車メーカーフィアットに移譲、さらにスイス人投資家に自動車部門の株式51%を売却、さらに1974年9月には石油ショックによる影響から親会社が残りの49%の株式を売却しています。
1978年にはBMWから委託されていたスポーツカーM1精算の遅れから契約破棄を通達され破産、イタリア政府の管理下に置かれたこともあります。
1981年フランスの投資家に売却された後、6年後にアメリカの自動車メーカークライスラー傘下となり、90年代に入るとインドネシアの新興財閥Medtcoグループの傘下となり、さらに1999年にはアウディグループに属することになります。
そして2019年1月からはポルシェ傘下となるなど、想像以上に紆余曲折を経た歴史を持つブランドでもあるのです。

そんなランボルギーニの特徴は、1962年4月にトリノ・自動車ショーで発表した350GTVにあります。
流線型を極めたような美しいフォルムとレーシングカー並みのV型12気筒DOHCを搭載するなど、現在の原型となる処女作として知られており、当時で世界最高峰とされたフェラーリに匹敵する先進的な基本性能を備えていました。
ところでエンブレムに描かれている牛は、闘牛をモチーフにしています。
トラクターメーカーであるため「畑を耕す牛」と思われがちですが、その雄々しいスタイルはスペインで活躍した闘牛をテーマにしており、ミウラやムルシエラやディアブロ、ガヤルドやヴェネーノなども闘牛が由来です。

気になるのが、これから発表されるであろう新車ではないでしょうか。
世界で脱炭素化が叫ばれる中、同ブランドも対策を検討しており、近い将来に電動スーパーカーが登場する可能性が高いと考えられています。
2019年には同社g初のハイブリッドモデルのシアンFKP37をフランクフルトショー2019にて発表するなど、時代の変化を捉えた積極的な姿勢が見えてきました。

閃光や稲妻を意味するイタリア・ボローニャ地方の方言と経営立て直しとブランドを確立したフェルディナント・ピエヒの頭文字を与えられたシアンFKP37は、ハイブリッドV12エンジンを搭載しており、最大時速350kmに達します。
特徴的な低い重心に加えて伝統的なガンディーニラインを継承、極限まで高めた空力ソリューションを感じさせる一切の無駄のないスタイル、個性的なY字型ヘッドライトが無理なく溶け込んでいます。
リアにはウィングが格納されており、一定の速度に達すると起動する仕組みを持ちます。
同ブランドの人気車種アヴァンタドールSVJよりも加速トルクが優れており、実に30~60kmに達するのに02秒、70~120kmだと1.2秒それぞれ短縮しています。
わずか限定63台の精算が予定されていましたが、発売前から完売するなど圧倒的な人気の高さを示しました。

世界の自動車メーカーが力を入れる電動化についても積極的な姿勢を示しています。
2020年12月1日社長兼CEOに就任したステファン・ヴィンケルマン氏は、自動車専門誌のインタービューで「すべての性能を向上させる場合の最有力の手段が電動化であるならば、ためらうことなく導入する」と反応、さらに別媒体にてランボルギーニ・ジャパン社長のダビデ・スフレコラが「ハイブリッドカニア加えて、EV化を見通している」と答えており、未来を見据えた取り組みが進んでいることを伺わせます。
同時に「100%の電動化については準備が整っていない」とも発言しており、スーパーカーらしいドライビングと電動化による性能アップとの最高のフュージョンを目指していると考えられます。

さらに忘れてはならないのが、ウルスです。
同ブランドで初のクロスオーバーSUVとして発表されるとまたたく間に人気を獲得、650PSというスーパーカー並みの怪物と言っても良いパワフルな走りとSUVらしい高い乗り心地が注目を集めています。
ランボルギーニは、スーパーカーブランドの代名詞であるだけでなく、HV化や電動化によるさらなる性能アップと環境対応、クロスオーバーSUV市場への参入などを通じて自動車業界全体を牽引することでしょう。